2014年12月13日土曜日

イチョウの思い出

会議のため、上京。
今、都内は木々がとても美しく、色づき、少しづつ、その葉を落としています。
特にイチョウは毎年見事です。見るのは好きです。
でも、私にはイチョウの落ち葉にはトラウマがあるのです。

都内で学生をしていた遠い昔、私は先生から宿題をもらいました。
それは先生の論文を読み、まとめることで別の大学から講師として来られていたので私の学校にはその論文はありません。先生はいとも簡単に「国会図書館に置かれているから。」と言いました。
ということは国会図書館に行かねばならないということです。

市立図書館なんてフレンドリーなもんではなく、「国会」という言葉にビビりました。
でも行かなくちゃ。
この日は雨の日でした。冷たい雨と心細さに打ち震えながら、地下鉄を降りて歩いていきました。
坂道です。イチョウの並木です。ちょうど今頃だったのでたくさん散っていました。
雨に濡れて張り付いていて、今でもその時のことを映像として覚えています。

官庁街なので入口には警備の人が立っていました。私はなんと彼の目の前で
ぬれたイチョウの葉っぱを踏んづけて見事に滑ったのです。
スカートだったけど大丈夫だったかなあ。今にして思えばそっちのほうが気になるけど
このときは人の目の前で滑ったことが恥ずかしく、さりげなさを装って立ち上がり、
何事もなかったかのように彼の目の前から立ち去りました。

その後、無事に先生の論文にはたどり着き、後日レポートをまとめて発表しました。
友達は「よく調べてきたといわれてよかったね。」といってくれましたが、私には
先生のその言葉は届いていませんでした。たぶん、スッテンコロリのショックから
立ち直っていなかったのだと思います。

というわけで私にとってイチョウはこの思い出と共にあります。
昨日の都内のイチョウの落ち葉はこの出来事をいやでも思い出させてくれました。
園内にもイチョウの木があります。あまり大きくならないようにとたびたび、枝を落としています。

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